論文掲載 Geriatrics
大学院博士後期課程在学中の岡澤和哉さんの研究論文が,Geriatricsに採択されました.本論文は,加藤教授の指導のもと実施した臨床研究です.
人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty; THA)を受けた患者を対象に,術後早期の歩行パラメータ(歩行速度,歩幅,歩行速度変動係数,歩幅変動係数)と術後2年経過した後のForgotten Joint Score-12(FJS-12)との関連性について検討しました.その結果,術後早期にこれら歩行パラメータが改善した患者は,術後2年目の関節の違和感が軽減することが示されました.また,歩幅はFJS-12の有意な予測因子であり,ROC曲線を用いてカットオフ値の精度を評価した結果,FJS-12の下位項目(問9,10,11,12)は中程度以上の精度(AUC)を示しました.本研究は,術後早期のリハビリテーションの意義を強調するとともに,歩行能力を向上させる理学療法が,患者の長期的なADLにおける関節の違和感の軽減や満足度の向上に貢献する可能性を示唆しています.
論文名
Effect of Early Postoperative Gait Parameters After Total Hip Arthroplasty on Forgotten Joint Score-12 at 2-Year Follow-Up
DOI:10.3390/geriatrics10010007